なんとはなしに両肩を上下させたら
「なになに、なんなの? なんで今肩すぼめたの?
感じたの、ねえ感じたの?? オーラの泉見てるの????」
と、はすむかいに座っている男子に異様にビビられました。
いや、単に肩が凝っただけですけど何か?
大変不本意なことだが、時々こういう疑惑を持たれることがある。
「こういう疑惑」というのはつまり、
「トンボは見てはいけないものを見ているのではないか」という疑惑だ。
向かいに座っていて、壁をぼんやり眺めて遠い目をすると
「なに? なに見てるの? 何がいるの?? オレの後ろ見んなよ〜!!」
と悲鳴をあげるのは、たいてい男子である。
フン、だからワシは何も見えてねえっつってんのに。
こういう人の話を聞かないヤツには、わざと背中のほうをぼんやり見ながら
「ケガには気をつけてね・・・」などと意味深な言葉をかけることにしている。
なぜこんなことになったかというと、飲み会の席で言った昔話がきっかけだ。
どういう経緯でそんな話になったのか覚えてないのだが、
小さい時、部屋に生首が飛んでいてね、という話をしたのだ。
物心ついた時から、家の中で知らない人によく出くわした。
紺色の着物を着流した、ざんばら髪のお侍さんが
廊下の隅で頭を垂れてぼんやり立っていたり、家の中ですれ違ったり。
夜中、ふと目が覚めると白い着物姿の女の人が足下に立っていたり。
一番多かったのが、部屋の中に飛んでいた生首。
生首っていうと生々しいが、要は頭だけがフワフワと浮いているというか
風に乗って自分の頭の上をフワーッと通り過ぎていくような感じ。
今考えても、こわいと思ったことは一度もなかった。
なにしろ、物心ついてから気づけばそこにいるわけだし、
特に何か語りかけてくるわけでも、悪さをするわけでもないので
自分にとってはごく当たり前の景色。
それに、みんなにも同じように見えてるんだ、と思いこんでいたのだ。
そうこうするうちに中学にあがったら
その頃の女子ってホラ、怪談話好きでしょ。
「昨日、白髪のおばあちゃんに足をつかまれた」とか
「金縛りにあって、おそろしい声が聞こえてきた」とか
そういう話をヒヤヒヤしながら聞いていて、
はら、ワシが見ているのは死んでる人だったわけ?
とようやく気づいたわけだ。
でもワシが見たのはそんなおとろちー人たちじゃなかったし
話に聞く幽霊と、自分が見た人たちにギャップがありすぎて
自分が見ているのはきっと気のせいだろう、という結論に到達。
そして「幽霊ってこわいんだ」という意識が生まれたのと同じ頃
だんだん家で見ることも少なくなり、そのうち全く見なくなってしまった。
ひと言でいえば
ってやつですね。
しか〜し。
話を聞いた人はどうも「落武者の生首が飛ぶ部屋」という
言葉のインパクトが先行してしまうようで
それ以来、「トンボ=生首」というありがたくないイメージがついてしまい・・・
霊感強いように思われて、勝手に怖がられて困るんだよね〜なんてな話を
なぜかヌーヨークの、なぜかしゃぶしゃぶ食べ放題の店で話していたのだが
その時いっしょだった海女んちゅの友人ウラジミールの
ダンナでカメラマンのアレキセイくんに
「それってそれって・・・ラスト・サムライだよねっ!!!」
キラキラした目で見つめられました。
おりしも、あの映画が封切られたばかりの、雪のヌーヨーク。
いや、単なるサムライつながりですから、それ・・・
全くなんで勝手にイメージふくらませるのかね、男ってやつは。とほほ。
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妄想族ですけどなにか?
私だったら生首の人のお話を聞いてみたい。
世の中の発達ぶりとか正直どう思うか?とかね。
とんぼさん。今度あったらきいといてもらえます?
そしてレポよろしく
エハラちゃんよりスゴかったわけなんですね・・
いやトンボさん、それはすごいことなんだよう(笑)
いろいろな体験しても「だからなんなの?」って言えるその、
なんか余裕?っていうか懐の深さは
カッコエエなあ
達観してらっさるのね。
どーでもいーコトを、何かにつけ解説されたりしませんか?
不思議ですよねぇ、うん。
そして僕が不思議なのは、女性って
(なんでそんなにカバン買う?)
ってコトですね。
化粧品も靴も、まぁ分かろうと思いますが。
小さいカバンを何個も買ってるのは謎。
生首くんは非常に無口な方なので、全くおしゃべりになりません。シャイなので目もあわせません。
ていうか、うちの実家はもうなくなっちゃいました。。。古い家ですから〜残念!生首斬りっ(古い)
>>桃瀬さん
ちょいと桃りん。人の話をよお〜くお聞きなさいな。
達観じゃなくて「気のせい」ですから、これ!!(笑)
>>tomさん
すいません、必要なカバンしか持たない女です。
「バッグと靴は必要よねえ〜ストレスたまると特に女はねえ〜」
とよく同意を求められるんですが、「…いえ?」
気持ちがいまだに全く理解できません。女子失格。
女はカバンに走り、男は理論で武装し、そのどちらでもない私は帰る場所が見つかりません。。。
いやぁ〜〜ん女の子っぽぉ〜〜い!
しかし悲しいかなブランド物とかじゃなくて、安いバッグだとかスニーカーだとかなんだけども…
女はなんやかんや入れ物好きなんですね。
マトリョーシカは恐ろしいけど…