前回の続き。
現役坊主による密教占星術のはじまりである。
サンジャポジャーナリストみたいなスーツの坊主が居を正す。
坊「では、どういたしましょう(ニコニコ)」
海女んちゅ「いや、どうって」
坊主「……(ニコニコ)」
海女んちゅ「……」
トンボ「……」
坊主「…………(ニコニコ)」
シーン
普通なら占い師さんが畳みかけるように話し始めるもんだが
目の前のサンジャポさんは何をするでもなく、
こちらが口を開くのを、つぶらな瞳でじっと見つめている。
いつもと違う展開にとまどった海女んちゅさん、
「いや特に悩みないっちゃないんだけど、
あるっちゃ人生全部が悩みって言えるみたいな?
てか、人生八方ふさがりみたいな?」
と、どうしようもないことを口走った。
するとサンジャポさんは、
「とりあえずこれ、書いてもらったほうがよさそうですね」
と柔和な笑顔とともに1枚の紙を取り出し
海女んちゅさんに名前と生年月日を記入するよう促した。
坊「あー本当に生命力にあふれた方ですねえ。
子犬なら最初にもらわれていくタイプです」
・・・いきなり「もらわれ犬」ときた。
「誰とでも仲良くなって、年上でもタメ口ですぐに話しますね」
ズバ。
「でも他人には興味がないです。自分大好き、自分しか興味ない」
ズバ。
「ライオンじゃなくて、シマウマです。放牧されるのが心地良いタイプ」
ズバズバ
「非常に現実的で、お金がなくなると急に元気がなくなります」
ズバババババ
まさかと思うけど、
空海さんそんなこと書いてないよね?
穏和な笑顔で言われるので一瞬だまされるが
よくよく聞いてると、けっこうズバズバきいてくる。
なんと「キャラ立ち」な占いだろうか。
面白いじゃねえか、こんにゃろう。
「ええ、そうです。その通りです、
もう本当に元気がないんです私はどうしたらっ!!!」
心当たりありまくりで
もう笑っちゃうしかないよ状態の海女んちゅさん、
いきなり坊主相手にしゃべるしゃべる。
それをニコニコ聞いているサンジャポさん。
それを見てますますしゃべる海女んちゅさん。
な〜る〜ほ〜ろ〜
これが「仏教的占いスタンス」なのか。
未来はこうなるとか、そういうことはあんまり言わない。
でも話をしながら現状を受け入れ、客観視させる
まさしく慈愛とシンパシーの世界。
占い師っていうより、カウンセラーに近い感じだ。
海「実は、うちも同じ真言宗智山派なんですよー。
おじいちゃんは住職だったしー
宗教好きだし、宗教画も描きたいんですよねえ」
それを聞いたサンジャポさんが一言。
坊「あ、ボク今ピンと来ました。 得度しましょう」
海「え? いやそれは」
坊「これも何かの縁だと思いますし」
海「んーまあ、そういうことも考えたこともあるんだけど」
坊「得度しましょう」
海「そうねえ、結婚しないなら出家しようかと考えたことも…」
坊主「ですよね。得度しちゃいましょう」
海「んー、でもでもぉ〜どうしよっかなあ〜」
・・・新手のナンパ?
何はともあれ「傍若無人なシマウマ」こと海女んちゅさんは
近い将来得度して千葉の寺を継ぎ、
海女んちゅさんから「尼んちゅさん」になることに決まりました。
めでたしめでたし。
※注意:占いにかこつけた宗教の勧誘などではありません。
一部、面白おかしく脚色しておりますが、
実際の占いはごく真っ当な内容ですので悪しからず〜。
長くてすいません、今度こそ最後!