「坊主が占いをしてくれるらしい」
という噂を聞いたのは、いつのことだったろうか。
そうだ、知り合いに「面白いバーがあるんですよ」と言われて
連れていってもらった「坊主バー」でのことだ。
坊主バーとは、その名の通り坊主がやっているバーのこと。
バーテンさんは坊主頭であるし、坊主でもある。
作務衣を着た坊主がシェーカーを振り、
「愛欲地獄とは何か」とまじめな顔で教えてくれたり
法事でお休みしたりもする、現役坊主オンリーのお店である。
ちなみに「坊さんがお酒出していいんですか」と聞いたら
「仏教は何でもアリなんスよ」と言われた。
生ぐさ坊主である。
その時に「週末にくれば、占いのできるお坊さんがいる」
と聞いたのだった。
仏教と占い。
しかも「密教占星術」である。
宗教好きの海女んちゅと、坊主(頭)好きのワシが
気にならないはずはないではないか!
バーでの占いはヒマな時の数分だけの簡単なものだけで、
ちゃんとやってもらうには予約をしないといけないとのこと。
善は急げとばかりに、電話をかけてみた。
「はい、ガネーシャです」
お? 古田新太か?夢をかなえるゾウか?
ト「あ、あのう〜密教占星術をしてると聞いたんですけどぅ〜」
「あ、はい。そうですよ」
電話の相手は、どうやら占いをしてくれる坊さん本人のようだ。
坊「日中でしたら今のところ大丈夫ですよ〜。いつでもどうぞ」
ト「じゃあ金曜はどうでしょうか」
坊「夕方まででしたら、何時でもかまいませんよ」
・・・なんだろう。この包み込むような優しい声は。
ふわふわした真綿に包まれたような、安心感。
何もかも受けいれてくれそうな、抱擁感。
電話でちょっと話しただけで、すっかり心を開いてしまい
「実は、人を殺めまして…」
と、よくわからない告白をしてしまいそうになった。
さすが坊主、油断ならない。
そして予約の日。
「個別にみても、みんなでワイワイ言いながらみてもいい」
ということだったので、
まずは海女んちゅと私が先行して一緒にみてもらい、
終盤に友人アコチャーナが乱入するという形で、
1人30分ずつみてもらうことにした。
場所は、前述の坊主バーの向かい側にある
「駆け込み寺」
占いと心理カウンセリングのサロンである。
左を向けば坊主バー。右を向けば駆け込み寺。
あとは涅槃で待つだけ、という環境である。
曼荼羅とこたつとなまめかしい木仏が並ぶ
メガネにスーツに坊主頭のお方が
にっこりと穏和な笑顔で迎えてくれた。
あんまり優しそうだったので
「その出で立ちだとサンジャポジャーナリストみたいですよ」
という言葉はとりあえず飲み込んでおく。
そして、上座に鎮座した海女んちゅさんが
あまりにもあやしげな雰囲気にマッチしすぎて
「アンタ、占い師が天職と思うよ」
という言葉も一緒に飲み込んでおいた。
チャイを飲みながら、まったり雑談を交わした後、
さっそく占いスタート。
密教占星術とは、いわゆる「宿曜占星術」と呼ばれるもので
真言宗の開祖、空海さんが中国から持ち帰った教典がルーツらしい。
太陽暦でみる西洋占星術と違うのは、
月齢(旧暦)でみることと、星座が28こあること。
生年月日で星座を割り出し、運勢などをみるのだという。
というわけで、まずはアヤシイ占い師
ルネヴァンダール海女んちゅからみてもらうことになったのだが・・・
あれ長くなっちゃった。次回につづく。
ドキドキ、ワクワク。
お返事遅くなってすいません!
コメントありがとうございました。
長くなっちゃってすいません。。。